ティエムとジョコビッチの全仏。世代交代の象徴か

全仏オープン2017年の準々決勝。ティエムvsジョコビッチ。ついにティエムが五度目の挑戦で見事をジョコビッチを退けました。

スコアから言うとティエムから見て7-6(5)、6-3、6-0。完全に圧倒ともいえるスコアではないでしょうか。

以前からティエムはクレーコートにはめっぽう強く、クレーでは数少ないナダルとも対抗できるプレーヤー。実際に全仏オープン前のクレーコートの大会において、彼はナダルに勝利もしています。

以前からティエムのプレーは非常に素晴らしいと思っていたので記事も上げたことがありますが

関連記事:ドミニク・ティエム(Dominic Thiem)のプレースタイルと今後

今回は試合結果からティエムそしてジョコビッチについて、改めて考えてみました。

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ティエムにとってクレーコートでは水を得た魚。

ティエムはとにかくクレーが強い。若干23歳でとったタイトルのうちなんと6つはクレーコートでのタイトルなんですね。

でもなぜそこまでクレーコートに強いのか。彼の強みは一言では言えないですが、一つはストロークとサーブがクレーコートに向いているという点があるでしょう。

彼のストロークはフォアハンド、バックハンド共にサーキュラーが強いタイプ。当たると強いトップスピンを掛けられますが、ラケットが出てくるのが遅れる分、振り遅れやすいのが難点。

勿論彼はハードコート、芝でも結果を残しているので、ストローク自体の対応力はあると思います。しかし、このスイングタイプは球足が遅く、トップスピンが良く効くクレーコートが最も適応できるスイングでしょうね。また、サーブも強いキックサーブを打てるとうのもクレーには向いています。

ただ、これだけだと他のクレーコーターとあまり変わらないですよね。

他のクレーコーターとの最大の違いはシンプルに質の高さ。とにかく恐ろしいほど強いボールを連発できる点です。ラファエルナダルも異次元のトップスピンでクレーを庭にしたのと同じく、トッププロですら彼の強打の前では押されてしますのです。これを可能にしているのは彼のフィジカルの強さなのでしょうね。

ジョコビッチもティエムに対して5連勝中だったのにも関わらずストレートで負けてしまったのはメンタル面もあるかと思いますが、ティエムのプレーの質も上がっていることもあるでしょう。

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ショートポイントの少ないジョコビッチのプレーから感じる懸念

一方心配なのがジョコビッチ。彼は昨年の全仏からどうもモチベーションの維持が困難になっているように感じます。

更に言うとこれからフィジカルが落ちてくる30歳以降で、果たして今までのプレーで良いのか…ということを感じてしまいます。

今ツアーで活躍しているベテランプレーヤーを見ると、カルロビッチやロペス、イスナー、そしてフェデラーなど、総じてショートポイントが多いタイプが長く活躍している傾向にあります。対してフェレール、ロブレド等は怪我の影響もありますが、やはりロングラリーが多く、流石に落ち目になってきています。

ジョコビッチのプレーを見るとやはり持久力を売りにしたロングラリーが多く、ネットプレーのキレもそこまでない。フィジカルに頼りがちなプレーを今後どう打開していくのでしょうか?その点がかなり疑問です。個人的にはここで奮起して新たなプレースタイルを確立してほしいのですが…

いずれにせよ、生涯グランドスラムを達成し、東京オリンピックも先になるなか、この2~3年をどう過ごすが要注目ですね。

彼の再起を、暖かく見守っていましょう。

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