マリン・チリッチのプレースタイル

photo by Marianne Bevis

クロアチア出身、錦織圭と同世代の選手。

忘れもしない2014年、錦織圭のアジア人初のグランドスラム制覇がかかった全米オープン決勝の対戦相手(結果は6-3,6-3,6-3でチリッチが優勝)。グランドスラムタイトルの他に、2016年にシンシナティマスターズを優勝し、2016年には6位、2017年のウィンブルドンでは準優勝と着々とステップアップしている選手。

ビック4の牙城が少しずつ崩れかけている今、彼がどこまで活躍できるの要注目のプレーヤーだ。

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プレースタイル

198㎝の長身を生かしたビックサーブと高い打点から打たれるフラットドライブ系のストロークが武器のオールラウンダー。フォームに柔らかさを感じるタイプではないが、全てのショットが基本に忠実で教科書通りのタイプだ。

ストローク

長身の選手ではありながら、しっかりと足を使ってベースラインでストロークを打つのが特徴。真面目な性格が出ているのか、非常に細かくフットワークを使ってボールを打っている。

フォアハンドは高い打点から低い軌道で飛んでいくフラットドライブタイプ。しっかりと膝を曲げて狙った方向に向かってキレイに飛んでいく。チリッチの強力なサーブで崩し、フラットドライブフォアハンドを打ち込めば簡単にポイントが取れてしまうだろう。

バックハンドも手堅いストローク力を持っており、バックハンドクロス、ストレートの打ち分けもしっかり打つことができる。またスライスバックハンドも比較的器用にこなすことができるが、ドロップ系のショットはそこまで使わない。

ネットプレー

ネットプレーに関してもかなり手堅く取っていくタイプ。フェデラーのようにゴットハンドボレーのような派手さはなく、しっかりとボレーは深く、コースを狙っていく印象である。チリッチがネットプレーをしているときはサーブないしはフォアハンドでしっかり崩せている時なので、特別ネットで勝負するようなタイプではないのだろう。

サーブ、リターン

サーブに関してはゴラン・イバニセビッチがコーチになってから非常に攻撃的になっている(2017年現在はコーチ関係を解消している)。

以前はスピン系が効きすぎていて、あまりエースが取れていなかったが、ここ数年で丁度良い回転量になっており、エースを量産している。ファーストサーブのポイント獲得率は80%程度なので非常に強い武器になっている。セカンドサーブも非常にキック力の強いスピンサーブを打つことができており、リターンを強く返すのは難しいだろう。

リターンに関しても最近では鋭い強気のリターンが増えており、リターンスタッツがかなり向上しているようだ。サービスゲームの安定感がリターンゲームの好調につながっているのだろう。

弱点

チリッチの調子のバロメーターとなるのがサーブとフォアハンド。このショットがチリッチは意外と崩れやすく、一度崩れると途端にアンフォースドエラーが増えてしまうのがチリッチの弱点。

ビックサーブとフォアハンドが一度入りだすと手が付けられなくなってしまうので彼の調子を崩すためにどこまでくらいついていけるかがキーポイント。

錦織圭との対戦は通算で6勝7敗と錦織が勝ち越しているが、直近では錦織の3連敗(2017年8月現在)。ラリー戦になると速いテンポの錦織に分があるのでいかにショートポイントで終わらせないかが重要だろう。

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プレーの見どころ

チリッチは強力なサーブ、フォアハンドを持ちながら、一つ一つのショットを丁寧に打つプレーヤー。

彼のプレーを見るときは

✓サーブで崩し、きれいな軌道のフォアハンドで仕留める組み立て
✓長身選手でありながら、しっかりと足を動かすテニス
✓アマチュアも参考にしたい基本に忠実な一つ一つの技術

に注目して観戦しよう!

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