photo by Marianne Bevis
ブルガリア出身のテニス選手。
プレースタイル屋ボールの打ち方がフェデラーに似ていることからデビューしたてから「ベイビー・フェデラー」と言われていた。(但し、ツアーに定着してからこの呼び名は明確に嫌がっているらしい)
2014年にウィンブルドンでベスト4、ランキング8位とブレイクしたが、そのあとずるずる初戦敗退の苦しい時期を過ごしていた選手。2017年は再起し、マスターズに加え、ツアーファイナルでラウンドロビン全勝、そして見事ゴフィンとの決勝を制して優勝した。2017年は人生でも最もホットな時期を過ごしている選手。
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ディミトロフのプレースタイル
グリゴール・ディミトロフのプレーはとにかくダイナミックで、バツグンの運動神経を存分に生かした攻撃型オールラウンダー。
以前はフォアハンドやバックハンド、そして積極的に強打して速いテンポで攻める姿勢からフェデラーに似ているといわれていたディミトロフ。実際にプレーを観戦すると、確かにストレートアームのフォアハンドや、フォロースルーが大きい片手バックハンド等似ているといえば似ている。
細かく言うと、ボールに対する力の入れ方、タメ具合、フットワーク等実際動いているときを見るとそうでもないと感じる人も多い(らしい)。
ベースラインでのプレー
フォアハンドはフェデラーと同じ、ストレートアーム型フォアハンド。バックハンドもフェデラーと握りはほぼ一緒の片手バックハンド。こうやって見るとフェデラーよりも少し構えてからのタメが大きく、ふところの大きいストロークを打つ。
グリゴールディミトロフ練習動画(YouTube リンク、https://youtu.be/tEv_pWQDAWQ)
フットワークも野性的に、悪く言うとややバタついているような印象だが、ツアーの中でもとにかく足が速い。(身長は190センチとかなり大きい)
また、股関節もとても柔軟なのでジョコビッチのような大股を開いたコートカバーリングをたまに見せる。
関連記事:グリゴール・ディミトロフのフォアハンド解説、ポイント
関連記事:ディミトロフが見せた片手バックハンドの新しい可能性
ネットプレー
ネットプレーもかなり良い。ディミトロフ選手はボールにスピードを与えるスキルがとても高いので、ボレーも他のプレーヤーよりもキレを感じる。
ドロップ系のボレーもかなりのセンスが良く、ATPツアーのHOTSHOTでは有名な背面ドロップハーフボレーを披露している。
ATP公式動画より
サーブ
サーブも結構完成されており、適度なスピン回転が掛かっているのに200km級を連発できる。
ただ、セカンドサーブのダブルフォールト率がやや高く、以前は重要なポイントでダブルフォールトをしてしまう悪いクセがある。
ただ、サーブの回転量やスピード、コースのクオリティはとても高いので今後、より多くの経験を積み、自信を深めることで重要なポイントでのダブルフォールトは減ってくるような気がする。
弱点
彼がブレイクする前(2014年以前)の弱点はフィジカル面の弱さを指摘されていた。(ロングマッチになるとしばしば足のケイレンを引き起こすことが多かった)恐らく彼のダイナミックなプレーに対し、フィジカルが完成されなかったためだろう。
そしてブレイクした2014年では見事フィジカル面を克服し、第一線で活躍してが、その喜びもつかの間、途端に早期敗退が続くようになった。本人曰く「メンタルの問題」だったようだ。
技術的な面で言うと彼はストローク、ボレー、サーブ、そしてフットワークが高いレベルにあるのであまり弱点は無いが、やはりメンタル面で、勢い重視のテニス故に「自信」が崩れるととたんに脆くなってしまう可能性はある。
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プレーの見どころ
グリゴール・ディミトロフはキレのあるテニスで見る人を楽しませてくれる選手。
見どころは
✓バツグンの身体能力を生かしたダイナミックなテニス
✓他の選手にはないボールのスピードや体のキレ
✓随所で見せる高速フットワークによるコートカバー力
これから最も脂がのったテニスキャリアになることは間違いないディミトロフ。ブルガリアの英雄を今後も応援しよう!
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