フォアハンドは攻撃の要として非常に重要な武器です。
しかし、フォアハンドはスイングの自由度が高く、また自分の利き手方向で打つため力を込めやすい特徴があります。攻撃的に打つのは簡単ですが、安定させるのが難しい。とても奥の深い技術です。
一般的なテニス中級者はバックハンドに悩みを抱える人が多いです。これはバックハンドが利き手の反対側という非日常的な体の使い方をするからですね。でもバックハンドは腕の可動域が狭い分一度覚えてしまえば結構安定する技術。
なので逆に、ある一定のレベル以上になるとフォアハンドに悩みを抱える人が多くなってきます。その原因は自分で力加減ができる分色々なスイングをすることができるため、その分調子が狂ってしまうためです。
実際、トッププロのテイクバックにおいても
✓ロディック選手のような思いっきり肘から引くテイクバック
✓フェデラー選手のようなコンパクトだけどサキュラー気味テイクバック(関連記事:テニス フォアハンド スイングスピードの出るテイクバックの形とは)
✓伊達公子選手のような引くだけの超シンプルテイクバック
などなど、実はそこまでフォアハンドのテイクバックは共通した技術ではないんですよね。
その理由はそれぞれのテイクバックに適したショットがありますので、そもそもフォアハンドのテイクバックはプレースタイルやその時に打ちたいボールによって最適な形は変わるもの。それについてはまた今後書きますが、今回はどんなテイクバックにおいても共通して意識してほしいポイントについて書きたいと思います。
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Contents
フォアハンドテイクバックの基本は?
フォアハンドテイクバックは左手を必ず使おう
ラケットを引くときに右手オンリーでラケットを引いてしまうのはNGです。これは初心者と軟式テニス経験者に多いですね。まずは左手主導でテイクバックすることを意識しましょう。
テイクバックは右手オンリーだけで行ってしまうと右腕が力んでしまい、不安定になってしまいます。ラケットは結構重いです。フォアハンドは試合中、何百と打つショットですから、試合の後半に腕が疲れないよう、左手を使ってテイクバックにすることがとても重要。
これは結構トッププロも実践している技術です。せっかくなので錦織圭選手の素晴らしいお手本を見てみましょう。
✓左手がラケットの直前まで離れない錦織圭のフォアハンド(LYiTennis様提供動画)
このようにテイクバックは左手でラケットのスロート(三角形の所)を持ちながら体の右側に持っていきましょう。こうすると右腕に余計な力が掛からず、かつ体を自然にひねることができます。
フォアハンドテイクバックはコンパクトが鉄則
これも良く言われますが、フォアハンドテイクバックは大きく引けるのでついついパワーを出したくなってしまい引きすぎてしまうこともあるかと思います。しかし大きなテイクバックは振り遅れを招くばかりか、上体との運動連鎖が断ち切れてしまうのでパワーロスしてしまうことのほうが多いです。
そこでおすすめなのがテイクバックはラケットを引くのではなく、テイクバックはボディターン程度にとどめておくテイクバック。ラケットを後ろに引くのではなく、体の横にセットするようなイメージを持ちましょう。
このようなコンパクト系テイクバックのほうが、長時間の試合になるテニスには向いています。もちろんテイクバックを小さくすることに意識しすぎる弊害もありますのでちゃんと打つボールと相談して適切なテイクバックの引き具合は模索しましょう。
大きいテイクバックをすればするほど、打点までラケットを持っていくために大きな腕の力を使います。その結果、安定感が失われるでしょう。
ラケットは寝かせずに立てるのがオススメ
この「ラケットを立てる」という表現はラケットヘッドを上方向に向けることを指します。逆に寝かせるは地面方向を向かせること(ラケット面を伏せるとも言う)。錦織圭選手もラケットを立てるタイプのテイクバックですね。
なぜラケットを立てたほうが良いのかというと、まず試しに自分でラケットを寝かしてテイクバックしてみてください。
やってみるとわかりますが、ラケットを寝かせるとラケットの重みが右腕にズッシリ来る感覚がありませんか?これはラケットの重心が腕の支える位置から垂直方向にずれているのが原因です。これに対して、今度はラケットを立ててみましょう。
恐らくラケットがかなり軽くなったと感じるはず。これはラケットの重心が真上に来るためです。このようにテイクバックの時にラケットを立てることで右腕の疲労が減ります。その結果疲れにくくなり、安定感も増すということですね。
ただ、ラケットを立てないテイクバックをする人もいます。クルム伊達公子選手はラケットを立てない超コンパクトテイクバックですね。
✓テイクバックでラケットを立てない伊達公子選手のフォアハンド(doroyoi様提供動画)
このようにインパクトに重きを置くライジング型の選手はラケットを立てると振り遅れる原因になるため、このように最初からインパクト面を作るようなテイクバックをします。オススメはラケットを立てたテイクバックですが、プレースタイルによっても異なりますし、その時打つボールによって決まる要素もあります。
なのでラケットを寝かせるテイクバックは一概に悪いテイクバックではありません。ただ、今メジャーとなっているテイクバックはやはりラケットを立てるタイプ。ボールに威力やスピンをかけやすく、疲れにくいのはラケットを立てたテイクバックということは覚えておきましょう。
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まとめ
最後におさらいをします。
全てのテイクバックに共通して意識したいことは二つ
✓左手主導でテイクバックを行う
✓なるべくコンパクトにする
ここはかなり大前提になります。更にラケットの重みを軽減しつつボールに威力を出すためには
✓ラケット面を立てる(ラケットヘッドを上に向ける)
ことですね。
まずは上二つを守りつつ、自分は錦織圭タイプ(ラケットを立てる)か伊達公子タイプ(ラケットを寝かせる)か判断して頂けたらと思います。
反復練習を行い、バラツキの少ないテイクバックにして下さいね。それでは!
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